忍者ブログ
日本史(戦国史)やらゲームやら漫画やらメインに 二次創作と妄想を垂れ流すサイトです。 初めての方は”はじめに”からどうぞ。
[PR]
writer:柴漬亀太郎 2024-04-29(Mon)  
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


久々の投稿がこれとか。
writer:柴漬亀太郎 2012-02-02(Thu) 南北朝時代(小説) 
無事なんとか論文も上がって処刑を待つだけになってきたので
書こう書こうと思って●年の月日が流れた曰くつきのアレを投入。

大昔妄想の中で語った南北朝でフレッシュプリキュ●!パロです。
フレプリってすでに何年前だよって話なんですが詳しくは2010年3月24日の記事を見てくれ!
以下のあらすじを読んで嫌な予感がした人はバックプリーズ



~あらすじ~
新田ヨシサダは上野国新田郡新田荘に住むごく普通の御家人男子。そんなある日ヨシサダのもとに京都(?)のダイカクジ王国からやってきた妖精(?)と名乗るスケトモとトシモトの二匹(?)が現れる。彼らの話によれば総統タカトキの支配する管理国家カマクラバクフが世界征服を目論み各地への侵攻を開始したというのだ。カマクラバクフの邪悪な野望を阻止するため、ヨシサダに愛と正義の戦士プリキュ●になって戦ってほしい――突然の無理難題にヨシサダは混乱し、拒絶するが、故郷新田荘を襲うカマクラバクフの手先・怪人ロクハーラを目の当たりにしたことによりついにキュア●ーチとして覚醒し、それを撃退する。残る三人の仲間たちを求めつつ、ヨシサダは世界を守るための(?)熾烈な戦いに足を踏み入れたのだった――


基本設定
キュアピー●→新田ヨシサダ
キュア●リー→北畠アキイエ
キュアパ●ン→楠木マサシゲ

三人のいい年した成人男子とおっさんが管理国家カマクラバクフと戦うために
ダイカクジ王国の妖精の力を借りてプ●キュアに変身して戦っているよ!












『……かけになった電話番号は現在電波の届かないところに…』

 


聞きなれた機械音声を最後まで聞くことなく、ヨシサダは携帯電話を耳から離した。
軽く重量を感じるくらいぶら下げられたストラップがしゃらりと揺れる。
黄色と黒の縞模様の紐と並ぶTシャツのような形をした薄い板に書いてある背番号と名前は
お世辞にも野球に詳しいとはいえないヨシサダには馴染みのないものだった。
かつて彼から熱の入った解説を受けたような、そんなぼんやりとした記憶の中に手を突っ込んでみても
結局あやふやなままだった。…いや、それはどうでもいい話なのだ、今は。

「…結局、連絡つかないとこまで行っちゃったんですか。」
「………そうらしい。」

呆れと落胆と嘲笑と。…一つ一つを細かく分析すると3日は落ち込みそうだ、止めておこう。
ヨシサダの背後で大仰な仕草で首を振り、両手をあげて盛大に皮肉の息を吐いた冷ややかな声の主は
どーすんですか、もう…とやりきれない感情をぶつぶつと愚痴に変え始めた。
愚痴の一つでもこぼしたいのはこっちだってそうだ。でも、どうにも文句を言うこともできない。
ヨシサダは手元の見慣れぬ携帯を――独特のセンスで随分とデコレーションされた、
つまりは自分のものとは天地がひっくりかえっても言えない(本人の前では言えないが実際”言いたくもない”)
それをたっぷりと眺めて、どうしようもないやるせなさにがっくりと肩を落とした。
要するに今自分は、心の底から途方に暮れている。



「堪忍なァ」



なんやかんやで共に世界の平和(?)を守る羽目になってしまった
伝説の戦士プリ●ュア仲間の一人であるキュアパイ●こと楠木マサシゲは、
先ほど困ったように笑って手を合わせ、愛用のデコトラに飛び乗って去ってしまった。

「どうしても避けられん仕事やさかい…なるべくはよう戻ってくるつもりやけど、それまで二人頑張ってな。」

曰く、突然入った仕事らしい。
プ●キュアの使命とやらに頑固すぎるほどに忠実なアキイエは最後まで何やら言いたげであったが、
ボランティアに等しい正義の味方家業だけを優先して生きていけるほど世の中甘くないのが現状である。
むしろ、●リキュア務め(?)にあれだけの時間を割かれながら文句も言わずに
バリバリ自営業(よく考えたら何をしているのかは聞いたことがない。あまり聞きたくない気もする)
の日常を崩さないマサシゲは驚異的でさえあると思う。部活と勉強の両立は誰でもできることではないのだ。
実際のところ、アキイエもこの最年長の仲間には一目置いている(上から目線に代わりはないのだが)
少々情けないが彼も自分も認めるところの最大の戦力の離脱は、確かに心許ないものがあった。
けれど、何から何までマサシゲに頼っているわけにはいかないし、実際頼っているわけではない、と思う。
その前は二人、さらにその前は一人で何とかしていたわけであるし。
今となってはよくも一人で頑張っていたと思う、色んな意味で。
ヨシサダは遠くない過去を思い返しちょっぴり感傷に浸る。
仲間が増えたことは心底ありがたいと感じているが、正直ヨシサダは未だに彼らほど割りきれていないのだ。
カマクラバクフは許せないし、ロクハーラを倒すための力は欲しい。
大切な家族たちを守りたいと思う。けれど。
(けれど、なあ…こんな形で望むかっていわれたら……なあ……)
その辺を誰もに分かって欲しいとは言わないが誰かには分かって欲しいと思う。
それはそんなに贅沢なことだろうか。
「ちいと恥ずかしいわな」で済ませてしまうマサシゲに比べて自分の器が小さいだけなのだろうか。
いつもの際限のない自問自答、ひいてはうっかり自己嫌悪の沼に片足を突っ込みそうになり、
慌てて思考を今回の本筋の方へと引き戻す。
マサシゲに急な仕事が入って、数日遠くへ出かけることになった。
よってこれから暫くプリキュ●家業はヨシサダとアキイエの二人だけで頑張らねばならぬ。
そこまではいい。そこまでは何の問題もないのだ。
まあ、要するに、何が今回の問題かと言うと。

「…で、どーすんですか。今ロクハーラが現れたら。マサシゲさんはいらっしゃらない、貴方は変身できない、僕一人で頑張れってことですか。」

とげとげしい、いやもう言葉そのものが物理的なとげをもっているのではないか。
そんなアキイエの言葉に内から外から圧迫されながら、
ヨシサダは情けない声で「すまない…」と返すほかない。
ヨシサダのミスと言えばミスだった。
いつものようにロクハーラを倒し、変身を解除した後。
見計らったようにマサシゲの携帯がけたたましく鳴った。件の仕事に関する連絡である。
どのような話だったのか、勿論ヨシサダたちには聞こえていなかったわけだが、珍しくマサシゲが慌てた。
どうしたのか、と訊ねようとしたヨシサダと急いで踵を返そうとしたマサシゲは
ちょうど正面からぶつかり、互いに尻もちをつく形になった。
額を摩りながらなおも急いで愛車をとめた駐車場へ向かおうとするマサシゲに、
ヨシサダはせわしなく謝罪の言葉を述べ、せめてもの手伝いにと、
衝撃で手放され地面に転がっていた携帯を拾い、マサシゲに手渡す。
マサシゲは申し訳なさそうに短く二人に謝意を告げ、その携帯をポケットに突っ込む。
そうして冒頭の如く風のように去って行った。
嵐が去って落ち着いた後、一息ついて自分の携帯を拾おうとしてヨシサダは凍りついた。
地面に落ちているそれは、どうみても自分の愛用の携帯電話ではない。
結論・「楠木殿に 渡す携帯 間違えた(字余り)」

※遅ればせながら解説しよう!!
ヨシサダたち●リキュアはダイカクジ王国の妖精・リンジーの力が宿った携帯電話を媒体に
それぞれのエネルギーを得ることでプリキュ●に変身できるのだ!!
つまり変身用の携帯を持たないヨシサダたちはその辺にいるただの中年男子にすぎないぞ!!
変身手段を失ったヒーローヒロインの苦労はセー●ームーンとかでもおなじみだぞ!!

 

 

マサシゲの携帯はヨシサダの手の中。
そしてヨシサダの携帯はマサシゲのトラックに乗って今はどこを走っているのだろう。
当然のことながら、他人の携帯では変身できない。
先ほどダメもとで試してみたがうんともすんとも言わなかった。
結論からいえば、マサシゲが携帯とともに戻ってくるまでヨシサダは、
変身できないただの無力なおっさん(まだそんな歳ではないとヨシサダは思う)でしかないということである。

「勘弁して下さいよ…いくら僕が完璧だからって体力には限界があるんです。それにロクハーラが複数で襲ってきたらどうするんです。」
「く、楠木殿は早かったら明後日には帰ってくると言ってたし、ロクハーラも何日もそう立て続けにはでない…かもしれない。」
「かもしれないってなんですかかもしれないって。…それになんかこういうときに限って連日わさわさ湧いてきそうな気がするんですよね。」

貴方ってなんか運がなさそうですし。
余計なひと言がヨシサダの心の芯を再起不能にせんとばかりに深く深く突き刺さる。
確かにヨシサダは運がいい方ではない。というかむしろ運が悪かった。
外に出れば低い降水確率にもかかわらず雨に降られ、
コンビニで買った傘は購入数十分後に盗まれる。
電車にはあと少しで乗り遅れ、次の電車はというと人身事故によりいつまでたっても来ない始末。
愛読の雑誌の最後の一冊は目の前でかっさらわれ、レストランでは注文したものと違う品がやってくる。
日常生活からしてその運のなさは折紙つきだったが、
哀しいことにプリ●ュアになってもそれは変わらなかった。
家族旅行の日、大事な会議の日、結婚記念日…何故かロクハーラは狙い澄ましたかのように襲撃してくる。
変身中に謎の空間で着地に失敗して足を痛める。
ロクハーラから子供を助けようとして何故か車に轢かれる。
後々でプ●キュアの活躍が報道されるとき、新聞の一面写真は見切れてる。
テレビでは肝心の活躍シーンが映ってない。
あと味方の流れ弾にガンガン当たる。
誰とは言わないけど片方からはむしろ当てられてる気がする。
己の若さゆえの過ちとともに認めたくないものだが、ヨシサダは自他共に認める”不幸な男”だったのだ。

ちょっぴり泣き出しそうな気持になりながら、
ヨシサダは無駄だと分かってはいるけれど考えずにはいられない命題を引っ張り出す。
(……俺、何でこんなことになったんだっけなあ……)
なんでこんなことしてんだろ。考えてはいけないと分かっているけれどたまに考えずにはいられない。
カマクラバクフ、ロクハーラ、ダイカクジ王国、プリ●ュア―――
あの弐匹の妖精(?)たちが来てからヨシサダの日常は一変した――というかめちゃくちゃである。
なんやかんやで世界を守る正義の味方に変身して戦う羽目になって。
いい年こいて何故か衣装はふりふりドレスだし。
そもそも性別からおかしいんじゃねっていう突っ込みは無視されるし。
気づけばダイカクジ王国代表みたいになっててカマクラバクフからはむっちゃ目の敵にされるし。
年下の(いつのまにか)同僚には完全に見下されてる上にいびられるし。
もう一人は優しいけど、ぶっちゃけ頼りになりすぎて
自分のリーダー(らしい)としての威厳はゼロに等しいっていうか
リーダー(仮)の割にはいつも貧乏くじばかり引いてる気がするというか、幸せの●リキュアってホントかよっていうか
命をかけて戦ってるわりにはリターンが少ないっていうレベルじゃない気がしないでもないっていうか
頼むからホント普通の服で戦わせて下さい。家族に正体がばれたらと思うと田んぼにハマって死にたくなるから。
ホントはあんまり地元で変身したくないんです。変身後の決めポーズって絶対やらなきゃだめなんでしょうか。
何で自分が…とは言わないけれど。いや、ちょっとは思うけど。ほんのちょっとは。
思わせてくださいそれくらい。お願い。
それでもロクハーラから人々を守れるのは嬉しいことであるし、
誰かがやらねばならぬならばという気概もある。
カマクラバクフと戦える人間として認めて貰えているのを光栄に思う気持ちもある。
力を授けてくれたことを感謝もしている。
何より、その行為自体にはやりがいを感じていると言えるのだが。

ヨシサダが延々と終わりのない鬱思考にエンドレスワルツしそうになったその時、
手の中の携帯電話が震え、めいいっぱいの音量でやかましい音楽を響かせ始めた。
見返したディスプレイには『新田殿』いう表示が明滅を繰り返し派手に自己主張していた。
登録名にまで敬称をつけてくれている電話の持ち主の優しさ(?)に思わずホロリとくる。
恐らくサービスエリアか何かで気づき、慌てて電話を返してくれたのだろう。
早く電話に出ろというアキイエの無言の圧力に背中を焼かれながら、
義貞は表面の過剰なデコレーションを剥がしてしまわないように、丁寧に携帯を開いた。
そう言えば、なんてタイトルだっただろう、この曲。
聞いたことがなくはない曲なのだが、どうにもタイトルが思い出せない。
確か、タイトルもマサシゲは教えてくれたと思うのだが。
ほんの少しだけ曲とともに記憶を掘り起こして、かすかに手ごたえ。

 

 


「…ああ、とりあえず。」

 

『六甲おろし』は正式タイトルではない。
拾い上げた煮え切らぬ答えを今は頭の隅に追いやって、ヨシサダは溜息とともに通話ボタンを押した。

 




主役の座ゲットだよ!しながら不幸な新田先生が書きたかっただけのようなパロで実に申し訳ない。

拍手[2回]

PR
この記事にコメントする
nametitle
mailtext
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
URL
pass
この記事へのコメント
Powered by [PR]
/ Design by sky hine / PR:忍者ブログ