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日本史(戦国史)やらゲームやら漫画やらメインに 二次創作と妄想を垂れ流すサイトです。 初めての方は”はじめに”からどうぞ。
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writer:柴漬亀太郎 2024-05-08(Wed)  
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なんというか実にすいません。
writer:柴漬亀太郎 2009-06-20(Sat) 南北朝時代(小説) 
ホントここのところグダグダっぷりが酷いわ更新は無いわで実にすいません…
拍手をいい加減代えよう変えようと思っているのですが…何にも変わんなくてすいません…
拍手本当に有難うございます。本当はもっと更新する力で応えていけたらいいのですが…OTL
リアルで生きていく力を貰ってます(爆)力にも励みにもなります…!有難うございました!!



「証明終了」(足利義詮と佐々木導誉)
歩み寄りたかったのか歩み寄りたくなかったのか。
二代目将軍と二つの兄弟の終わりを見届けた男。物語の後日談の御終いの話。

読みづらいです(死)





「嬉しくて誇らしくて頼もしくて、けど辛くて苦しくて重たくて怖くて怖くてずっとずっと恐ろしかった。辞めたかったわけでも投げ出したかったわけでも死にたかったわけでもないし、足利の家に父上の子として嫡男として生まれてきたことを後悔したことなんて一度も無い。…すまない、一度もないかといえば嘘になってしまう、きっと一度はあった一度くらいはあったもしくは二度三度。けど、そうじゃなかったことのほうがずっと多かったから、結局今だってそんな風に思っていないわけだから、きっと後悔していないということでいいんだと思う。それでいい。けどやっぱり辛かった苦しかった重たかった怖かった怖かった怖かった。目が怖くて声が怖くて存在が怖くて何もかもが恐ろしかった。いつもいつだって何をやっても拭えなかった。父上なら叔父上なら彼なら基氏なら或いは或いは或いは。文字を一つ書くたびに指が震えた。音を一つ発するたびに喉が渇いた。歩くたびに見るたびに聞くたびに触れるたびに考えるたびに言いようのない恐怖ばかりを味わってきた。もしかしたらもしかしたらと考えるのが恐ろしくてそんなことばかり考えている自分の愚かしさに耐えるのが苦しかった。耐えてばかりで結局どうにも出来ないのだと自覚してからはもっともっと苦しくなった。父上を恨んだ叔父上を憎んだ彼を羨んだ基氏を厭うた。どうしてこんな風にしたのだとなったのだとどうして自分はもっと上手くやれないんだろうとどうして自分だったのだろうとさえ。父上にも叔父上にも彼にも基氏にもなれない私はどうすればいいのだろう。それでも将軍の座を手放す気にも何もかも投げ捨てて享楽に溺れる気にもなれなかったのは、確かに喜びで誇りで尊敬で責任感だったろう、それが無かったなんて思いたくはない。父の叔父の苦しみを今まで流された血を混迷の戦乱の齎した惨禍を無駄にしてはならない繰り返してはならない。私はそれを信じるものを守りたかった。私は将軍でありたかった。けど、けどそれは、とても下らないちっぽけな矜持でも在りはしなかっただろうか。惨めで辛くて苦しくて重たくて怖くて怖くて自分の愚かさを思い知っても、それでも己の不器量を認めきることも出来ない、必死に将軍の座にしがみつこうとする事で認めさせようとする目を逸らそうとする、そんな、救いようの無い利己に塗れた自尊心からではないのか。ああ、全てではないだろう。それが全てではない、全てが真実かもしれない。けど、けれど、その中で一番強かったのは、もしかしたら。私は結局逃げたいのではないだろうか。許されたいのではないだろうか。救われたいのではないだろうか。そんな浅ましい思いを隠したままみっともなく言い訳を続けてきて今もそうなのではないだろうか。辛かった苦しかった重たかった怖かった怖かった怖かった…永遠に終わりのない道を走り続けて、逃げ続けているようで…振り返るのも恐ろしかった。振り返って、己の真実の姿を見るのが恐ろしかった。だから走って、走って、懸命に走ってきたつもりなんだ。そうは見えなかったかもしれないけど。追いつかれないように捕まらないように何もかも剥がれて中身が露見してしまう前に。そうすることが正しいと思って。正しかったんだと思う。だって私は、今とても楽な心持なんだ。確かに辛かった苦しかった重たかった怖かった…でも、もう全部昔のことなんだ。今はとても、穏やかな気持ちでいられるよ。もう辛くもないし苦しくもないし重くもないし怖くもない…怖くない。もう何も誰も恐ろしくも恨めしくも憎くも羨ましくも厭わしくもないんだ。私は将軍だ、そのことが今は、私の中にすっかり溶け込んで何の違和感も無い。まだまだ問題は山積みなのだけれど、煩わしいことは何もかも解決してしまったようにさえ思えるくらいなんだ。ただね、解決したことにはしたけれど、肝心の部分を飛ばしてしまったようだよ。肝心の答えを飛び越えて、問題が解決した解放感だけが突きつけられてしまったみたいだ。それでも心持はとても安らかなのだけどね。今なら私は自分の愚かさをすんなり受け止められるんだよ。だから、だからそんな今に君に問いたい。嘘偽りなく答えてくれ。今までの君の言葉に、嘘偽りがあったとは思わないけれど。」

そこまで一気に言い切って、義詮は黙り込んだ。
こちらから、俯いたその顔は伺えない。ただぽつりと丸くなった、小さな背中が見えるだけだ。
春も終わりに近づく庭は千切れた花びらの合間に緑を散りばめていて空は雲ひとつ無く美しかった。
義詮が俯いた顔を上げる。こちらは振り向かないまま、空を眺める。
冷たくはないはずの春の風に、枯れた唇が震えた。

「私は、基氏にどうして欲しかったんだろう。」
(いっそ。)

その続きを紡ごうとして引きつった喉がひっと音にならない吐息を漏らした。
黙りこくった背中はピクリともしない。身じろぎもせずに答を待つ背中は、
幕府の若き最高権力者の揺るがぬそれでありながら、酷く老いて頼りない。
その背に、残酷なことだと知りながら、それでも彼は心のままに答を告げる。

「それは、本人にお聞きなさるのがよろしいでしょう。」

義詮の背中は微動だにしなかった。
そのまま義詮はたっぷり空を眺めた後、やがて静かに振り返る。
足利の棟梁に相応しく、武士を統べる将軍に相応しく、優雅で淀みがなかった。

「そうだね。」

そうすればよかった。
子供染みたその言葉が、声が、背中の変わりに震えて滲んだ。
子供のころから、父親と違い笑うことも泣くことも下手糞な少年だった。
或いは重圧から恐怖から、或いは意地と矜持から。
それら全ての苦しみから解放されたという大人になった少年は、
やはり泣くことも笑うことも出来ずに、疲れきった瞳で導誉を見上げていた。

 

 


(いちばんとりかえしがつかないことはなんだったろう)










基氏死後の義詮の話でした。義詮が好きだァァァァ!!という気持ちだけが暴走して出来ました(死)尊氏義満に挟まれて、地味だったり暗君だったりなイメージが強い気がする義詮だけど、なんだかんだで結構優秀な人だと思う。尊氏が残していった山積みの問題を押し付けられて四苦八苦している姿を見ると本当に泣けてきます…義詮と義満では結局政治の方向性が変わってしまったわけだけど、義詮の作り上げた幕府の基盤なくして義満期の繁栄はなかっただろうとか言ってみたり…言って…みてもいいかな…(何故弱気)ただやっぱり義詮は、自身を或いは尊氏と或いは直義と或いは直冬と基氏と…いろいろな人と比べてしまって自分の身を覚束無く思っていたのではというかそういう設定です(爆)それでも将軍という立場で踏ん張って、これから実を結ぶんじゃってところで死んでしまうんだもんな…しかも基氏の死後すぐに…OTL義詮と基氏はあんまり仲が良くなかったようですが、基氏死後すぐ義詮も死んでしまったところを見ると、やっぱり基氏が死んで張っていた張れていた糸が切れてしまったのかな…と。偶然といえば偶然ですが(笑)

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