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日本史(戦国史)やらゲームやら漫画やらメインに 二次創作と妄想を垂れ流すサイトです。 初めての方は”はじめに”からどうぞ。
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writer:柴漬亀太郎 2024-04-27(Sat)  
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よくわからん
writer:柴漬亀太郎 2008-07-18(Fri) 戦国(小説) 
仲があんまり良くない感じの大谷さんと信繁を書いてみよう!というのがコンセプトだったはず。
何か違うのは使用です。何か似たような話ばっかりっていうかもう何が何だか。


「日常は潰えて」(信繁と吉継)
家族と愛と、守るべきものの定義の相違。






どうして。

「そこまで、しなくてはならないんですか。」

心底理解できない、というように信繁は言った。
それが暗に誰のことを指しているかなど聞くまでも無い。
彼にとってそれは遥か遠く、彼岸の出来事に等しいのだ。

「別に君がそうしなければならない、という意味ではありませんよ。君は選ぶことが出来る。」
「欺瞞ですね。いざとなったら、貴方は選択肢など与えないくせに。」
「それは酷い誤解ですよ。本来ならば全てにおいて君は私から自由なんです。」
「………。」
「制約を課しているのは、君自身ですよ。」

それはとても嬉しいことでもあるのですが。
そうやって困ったように、しかしその本当の喜びを、義理の息子を案じる気持ちも
隠すことも無くありのままに微笑む吉継が信繁は苦手だった。嫌いではない。
義父の隣はいつだって居心地が悪くて落ち着かない。
今だって許されるのならこのまま飛び出してどこかに行ってしまいたかった(この場合においてそれを許さないのは勿論信繁自身である)先ほどから合わせることもままならぬ視線をぼんやり地面にさまよわせる。桜の花びらがまた一枚落ちたのを、意味もなく数え脳内に積み上げた。

「…おかしいじゃないですか。」
「はい。」
「俺には、大切なものなんて一つっきりしかなかったんです。それで、今までちゃんと上手くいっていたんです。それでここまでは問題が無かったんです。俺は貴方たちの言うことが理解できません。共感なんて、できるはずもない。」

だのに。
俯いた信繁の礼を欠いたとも取れる発言を吉継は少しも責めない。
黙って続きを促すそれは信繁の言葉を否定も肯定もしない。
卑怯だ、と自分のことを棚に上げて思う。
悪意でもなく好意でもなく、無関心を。将に今までの自分の世界に対するそれだったでは無いか。
必要なかったのだ。それだけで、よかったのだ。
(ずっとそのままでいられたのならば、どんなによかっただろうか!)

「そのままでも、良かったんですよ。けして悪くは無かった。私はそう思います。」
「…今更ですね。けれど、そうです。私は気づきたくなんかなかったですよ。少なくとも、こんな風に、こんな時には。だからもう少し見て見ぬ振りをします。そうしなければ、私はきっと。…軽蔑してくださって構いません。ここまで糾弾されておいて、何を往生際の悪いことを、と。」
「私は糾弾したつもりはありません。そう感じさせてしまったのなら申し訳ありませんが。私は君と話をしたかった。それだけですよ。結果的に苦しめてしまったのならばお詫びしなければなりませんが、ですが。」

苦しいなど。そう言おうとして、やはり言えなかった。紛れも無い事実だったからだ。
何もかもが苦しかった。
此の場に居ることも、息をすることも、考えることも、言葉を紡ぐことも。
何よりも心から自分を労わる義父の穏やかな声と両手で顔を覆った少女の小さな背中が苦しくて、
そんなことを苦しいと感じている自分が酷く情けなく、惨めでさえあった。
吉継が笑う。其の顔が殆ど布で覆われていても、例え信繁が目を背けていても、
吉継の笑顔は信繁の脳裏に酷く焼きついた。最後まで目を合わせることが出来なくて、唇を噛む。
辛くはない、ただ苦しかった。信繁は義父が嫌いではなかった。
信繁は此の世界の誰も、嫌いだと思ったことはなかったのだから。


「身勝手ながらお礼を言わせてもらえますか、信繁。私の娘を愛してくれてありがとう。」

 

嫌いではない、嫌いではない、嫌いではない。それ以外の言葉を知らない。
辛くはない、ただ苦しい。
どう逆立ちしたって信繁は彼女の望むようになれないし、
彼の為に何をすることもできないからだった。








嫁との出会いで今まで当たり前だったルールの崩壊に直面する信繁さんみたいな話を書きたいなーとずっと思ってたんですが毎度ながらしょっぱい出来です。大谷さんは史実で男前過ぎて困る。これでも嫁が好き過ぎる信繁さんを書いたつもりだった。違くねコレ。

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