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日本史(戦国史)やらゲームやら漫画やらメインに 二次創作と妄想を垂れ流すサイトです。 初めての方は”はじめに”からどうぞ。
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writer:柴漬亀太郎 2024-04-30(Tue)  
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需要のないもの
writer:柴漬亀太郎 2008-09-26(Fri) ゲーム(創作物) 
基本的に需要とか供給とか考えないところですこのブログ。

久しぶりにゲーム二次創作です。TOP外伝小説で捏造というカオス祭続編。
クレミン前提のアラン×キャロル話。意味が分からないのは仕様です。
なんかぐしゃぐしゃになったので後で下げて添削するかもです。


「さよならプロポーズ」(アラン×キャロル)
アランとキャロルの決別のとき。




「な、結婚しようか。」

三度の目の正直。仏の顔も三度まで。
三度という回数は何か特別な区切りとなる時であるらしいのだが、
俺とこの女の間においてそのルールも定義も常識も、まったく通用しないようだった。
俺曰く熱烈な愛の告白、女曰くまったくの世迷いごとのやりとりは
もうその”三度目”という特別な峠をとっくの昔に通り越して、
今や両手両足全ての指を使っても数えられないくらいだ。…いや、まだギリギリいけたっけか。
まあ毎度毎度こんなムードの欠片も無く突拍子も無く切り出されたのなら――
いや、俺としてはいたって真剣であるし、場所もムードが無くは無いだろう(だって教会)
けれど、女の返事はいつだってつれないものである。おそらく今回だって。
三度目の正直。仏の顔も三度まで。
その特別な時を俺は何よりも渇望していて、
出来ることなら永遠にその時が来ないことを願っている。

「なあ、何度でも言う。何度でも言うから、何時か信じてくれよ。贅沢な暮らしはさせてやれないかも…って多分お前はそんなこと思わねぇだろうけど。おまけにまずうちがボロイし貧乏だし…結局道場はそんなに儲かってねぇしなー、ああ、ガキ共も容赦なくぶっ壊していくし。けど、いいところだ。こんな世の中だが、村の奴らは皆馬鹿みたいにお人よしでさ。教会の神父はもう結構な爺さんだから、きっとお前みたいなのが来てくれたら凄ぇ喜ぶだろうな。村総出で祝ってくれるぜ、俺たちのこと。…ああ、豪華じゃないが盛大な結婚式になるだろうなぁ。祝い金で道場を改築しようぜ、お前の部屋も増やしてさ。それで、毎日ガキ共の相手して、お前の不味い飯を食って、寝て、起きて、そうやって毎日過ごすんだ。なかなか退屈で悪くないだろ?」

子供は男と女が両方欲しいな、と思う。
俺に似てもいいし、こいつに似てもいい。どっちだって可愛くないぶん可愛いだろう。
ウェディングドレスはやっぱり白だろうか?
女は職業が職業だ、いつも着ている服が白だけになんだか面白くない気もする。
いや、花嫁衣裳というのものはそれはそれでまったく違うものだろう。
やはり白だ。何事も王道が大事なのだ。
そう一人で納得してうんうん、と頷く。隣で俯いた女の顔は見ないまま。
神々しい光を背に背負い、優しく微笑む女神像からは目を逸らして。

「……もしかしたら、平穏な暮らしなんざできねぇかもしれない。もしかしたら平和なんかとは縁が無くて、誰にも許してもらえねぇかもしれない、どこにいれないかもしれない、どこにもいけないかもしれない。…それでも、約束する。お前を幸せにする、絶対。何があっても、お前を幸せにするよ。お前に幸せだった、って心の底から言わせてやるよ。約束する、幸せにするよ。」

俺は知っている。この女は知っている。
今からずっとずっと遠い未来によって定められたこの結末を知っている。
いまからずっとずっと遠い未来の幸福によって示された道標を見つけている。
この手で断ち切った未来と、犯した罪の昇華されうる可能性を生み出す術を持っている。
俺は知っている。この女も知っているのだ。
俺たちのこの先に何も在りはしないことを。
少なくとも、”俺たち”には何も無いのだということを。
この関係もこの時間もこの思いも結局何も生みはしないのだということを。

どこで全てが決定されてしまったのだろうか。
どうすればいいのかなんて俺の自覚せざるを得ないほど悪い頭でも分かっている。
それでも。

「幸せに、する。」
(だから、俺と)

俺は未来なんて欲しくなかった。”今”をずっとずっと留めていたかった。
それがどんなに愚かなことだと分かっていても、何もかもを無に帰してしまう行為だとしても。
ずっとずっと遠い未来の出来事を、その悲劇と幸福を拒絶したいわけではなかった。
ただ、そのために心の底から惚れた女を手放してしまうのが、
そうすることが決まっているのがどうしようもなく癪だった。
俺はろくでもない人間で、ガキで、聞きわけが悪くて、自分勝手極まりない男だ。
正義も使命も夢も義務も運命も平和も未来も何も欲しくなかった。
この女と過ごす”今”が欲しかった。ずっと続く”今”が欲しかった。
何も変らなければいい。何もかも変わり果ててしまっても、この女がいればいい。
俺はその手をとって、どこまでも逃げてやる。とっくに何もかも覚悟済みだ。
そして、どんな世界を目の当たりにしようとどんな惨めな死を迎えようと
俺は幸福だったと笑って最後を迎えてやる。
この女がこの手を取ってさえくれれば。
この女が、この手を取ってさえくれれば―――


「……………でき、ない。」
「…………。」
「………何を戯言を。いつもいつも、言っているでしょう。いい加減に。」
「………………。」


けれど、しょうがない。
俺は結局何一つ言い返すことなく何回目になるかも忘れた告白を終えるのだ。
だってしょうがない。
小さく身体を震わせて、途切れ途切れに俺への呪詛を呟く女を、
この星の未来よりも何よりも愛おしいと思っているのだから。
そんな女に、惚れてしまったのだから。
女は泣かない。一度だって涙を見せなかったし、
思えば一度だって俺に愛を囁いてくれたことも無かった。
けれど、それでよかった。
そんな女が、好きだったのだからしょうがない。
好きになってしまったのだから、しょうがない。
最後だと決めた今日が終わってしまうのも、しょうがなかった。

 


遠い遠いずっと先の未来の、遠い遠い夢の中で幸せそうに寄り添う二人の人影を見る。
赤いバンダナを額に巻いた薄い茶髪の少年と、白い法衣を纏った金髪の少女は
幸せそうに微笑みあい、互いの温もりと幸福を共有している。
少年が笑う、少女が微笑む。遠い遠いずっと先の、俺が拒絶しようとした未来の話。
そのビジョンに救われる日は、来るのだろうか。

 


女の震える細い手をせめて今だけはと強く強く握りながら、
俺は今日、ようやく”今”に別れを告げる覚悟を決めた。

 

(いつか、どうか、その日が)











別にクレミンが嫌いなわけではない(笑)むしろ大好き。大好きだからこそこういう妄想が働くというかなんというか(以下略)クレミン好きさんちょっと申し訳ない。別に未来の彼らは何も悪くないんだけど外伝小説を読んで妄想してしまったのだからしょうがない。あの外伝小説のどうしようもなさが大好きなので二次創作もどうしようもない話にしようとしたらこんなことにアレ?つーかアランが未来のダオスを打ち倒す計画に真面目に乗った(らしい)のに今ひとつ納得がいかんのです。キャロルはともかくアランの性格からしてどうだろう。アランはそういう使命とか義務的なことは嫌いそうな性格に見えるんだけどなぁ、見えるだけですが。じゃあそんなアランがなんんでキャロルに惚れるんだって話ですが要するに正反対のカップリングに萌えるという(以下略)このカップリング自分でも好き過ぎて色々語りたいんですが同時に自分でも一番ないな…と思ってしまうのがあれでして…あー、ウィノナだせばよかったかな。

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