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日本史(戦国史)やらゲームやら漫画やらメインに 二次創作と妄想を垂れ流すサイトです。 初めての方は”はじめに”からどうぞ。
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writer:柴漬亀太郎 2024-04-29(Mon)  
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久しぶりに図書館
writer:柴漬亀太郎 2008-06-02(Mon) ネタ的な 
図書館言って南北朝関係の本いろいろと借りてきました。もりもり読むよ。
一年のときネームきってた昌幸と信玄の話を発見しました。方向性がぶれたので没ったんですが
頑張って完成させようかな…その後の周瑜と孫策の話も(どんだけ放置してるんだ)



以下やく一名様を長らくお待たせいたしました、
清水義範「金鯱の夢」感想です。感想って言っても感想になってないよ。ネタバレ注意。

~あらすじ~
天正10年、山崎の戦の直後、羽柴秀吉に嫡子・秀正誕生。慶長5年、秀正・徳川家康連合軍、石田三成を関ヶ原に破り、大坂の異母弟・秀頼を倒す。ときに慶長8年、秀正は将軍となって名古屋に幕府を開く。そして日本の公用語は名古屋弁となった!江戸ならぬ名古屋で花開く文化は、政治は、経済は…!?(以下略)

上のあらすじは別に私がトチ狂って書いたわけではなく
単行本の裏に書いてある正真正銘公式のあらすじです
いや…今まで歴史IF小説ってのはそこそこに読んできたんですけど、
個人的にこれは嘗て無い衝撃。あらすじを読むだけで本編のカオス度合いが容易に想像
出来るというかまったく出来ないというか。スケールがでかいの小さいの!?
と言うわけで以下感想。まぁ想像がつくと思いますが、IF小説といっても架空戦記もの
ではなく時代パロディ小説と言うべきなのかな?「ちょwww」な感じで楽しめる作品です。
ネタバレ満載の偏った感想でもいいぜ!という方は以下からどうぞ。






・物語の始まりは本能寺の変の直前
まず明智光秀の謀反の理由からしてぶっ飛んでいます。
近江や今日の文化に慣れ親しんだ光秀は下品な尾張人と尾張弁が死ぬほど嫌いであり
信長による天下統一によって日本の共通語が尾張弁になることを恐れて謀反を起したのでした。
お前も美濃出身じゃんwwという根本的なつっこみはとりあえずその辺に置いといて、
尾張弁で繰り広げられる軍議の中一人だけ「なんだよあいつ格好つけやがって…」と
遠まわしにハブにされて内心腸煮えくり返っている光秀がマジで哀れです。萌える(え)
「マジ無理!あんな下品な言葉を強要されるとかマジ耐えられん!!」と思いつめて
光秀さんは謀反を起すわけで…今まで見た仮説の中で一番ぶっ飛んでるんですが。
・二人だけになると互いのお国言葉で四方山話する信長夫妻が超萌。ハァハァ…
・キーパーソン、おねと秀吉の子”豊臣秀正”が誕生。
まあ話すと長くなるので思い切り端折ってしまいますが要するにこの秀正が超天才。
彼が史実で豊臣家に降りかかる災いを悉く回避し(朝鮮出兵は秀正の一言でなかったことに
関ヶ原で三成&秀頼を破り、江戸夏の陣で徳川家を滅ぼして名古屋に幕府を開く…
とまぁここまででもう突っ込みどころが両手を使っても足りないんですけど仕様です。
まぁぶっちゃけこういうところがメインではないので。私は一番爆笑しましたが。
この辺は本当にあっけなく話が進んでしまうので正直合戦好きには物足りなかったんですが
むしろ見所は満載といえるでしょう。この小説、さらっととんでもないことを言うぜ!!
嘗て無くできる子福島正則
・何故か急に現れて秀正の片腕となる真田幸村(親父と兄貴は当然影も形も無い)が
まさかの関ヶ原東軍参戦(勿論大谷氏は西軍である)
・忍者大活躍で僅か二ページで陥落する大阪城
・幕府の剣術指南役になりそこなった宮本武蔵(&小次郎)の意外すぎるその後
・可哀相な家康
・度々名前だけ出てきては地味に噛ませ犬な伊達
本当に可哀相な家康
江戸城内で家康が切腹するシーンは泣くべきなのか笑うべきなのか迷いましたが
やっぱりちょっと胸にくるものがありました…やっぱり家康は報われてくれなきゃ…!!
それにしても夢にまで見た真田家全員東軍ルートなのにちっとも心が躍らなかったんだぜ…
・名古屋に豊臣幕府が誕生(笑うところです)
日本の中心地名古屋で名古屋文化が花開く…ちなみに江戸はドがつくほどの田舎。
幕府の重役である井伊家のポジションは基本的に全て真田に置き換わります
どう考えたって真田はねぇよと思うのですがそんなことを言うのはナンセンスというものです。
彦根藩真田家です。笑うところです。
個人的には上州一帯から離れた時点で真田のアイデンティティの八割が吹き飛ぶと思うのですが
そんなことを言うのは恐らくナンセンスなのでしょう。彦根藩真田家。笑うところです。
これ以降江戸は徹底的にド田舎扱いされ江戸弁はド田舎中のド田舎の言葉とされ
ダサいと笑われる羽目になります。そこまでせんでも…ってかそんな田舎になるかしら。
・忍者バショーくん
近年「松尾芭蕉俳人説」などという妄言が吐かれていますがとんでもありません。
数々の俳句たちはあくまで副産物。芭蕉の正体は幕府の忍者であり目的は東北政情視察。
もちろん俳句は全て名古屋弁です、きゃーる飛び込む水の音。
江戸☆黄門
この紋所(千成瓢箪)が目に入らんかー!!
・元禄名古屋デザイン博
幕府100周年記念の博覧会を名古屋でやるぜ!というおはなし。
完全に現代パロディと化している江戸の芸術家の皆さん方他の雰囲気が何気に好み。
それにしても尾形光琳は男前だなぁ…でも握り飯の皮に蒔絵というのは(以下略)
こんな感じの江戸文化パロディが他にもいろいろと続くのですが(基本的に名古屋化)
あんまり江戸文化に詳しくないのでいろいろ見落としがあるかと思うと残念です…。
どうでもいいことですが思わぬところで太平記ネタが出てきてときめいた(本当にどうでもいいな)
・お世継ぎ問題
お世継ぎ問題に頭を悩ませながらパチンコ製造にいそしむ真田正村(彦根藩主)
この小説の真田持ち上げっぷりは正直読んでいてあちこち痒くなるんですが(笑)
福島・加藤・前田のそれぞれが推す御三家の内誰を次期将軍にするべきか。
この辺を本格的にパラレルストーリーで追ったらそれだけで一本小説が書けそうな気もしますが
勿論そんなことは無くまたもや秀正公のご威光により大団円になるのでご安心下さい(何を)
それにしてもこのメンバーの中でやっぱり真田は浮いてるよ。
・どこか遠くの夢物語
世継ぎ問題もひと段落した発明大好き正村のところにやってきたのは類は友を呼ぶ平賀源内。
そんな源内が書いた小説とは、秀正が生まれなかった世界の話。
豊臣家は滅び、江戸幕府が誕生する――正村が過激すぎると難色を示したその小説は
勿論そんなことはとうに理解している源内の手によって既に焼き捨てられているが…

「空想ですよ。気楽な夢物語。もし今がそんな時代だったら、この私ももう少し生きやすいのかなと思いまして
ね。いや、その時代でも、結局私の存在する位置のようなものは変わらないのかなあ。」

この小説は基本的にバカ小説(褒め言葉)だと思っているのですが、こんな風に時々
痛切にメタ的な描写が響いてくるのが堪りません。だから惜しいなーと思う反面、
いやいやこういうバカ小説だからこその切なさと思います。そもそも本筋じゃないしね。
源内の書いた夢物語側にいる私たちには源内の言葉が結局夢ですらないものだと知っている。
この源内は結局、どんな人生を送ったのだろうか…
笑撃衝撃の写楽の正体
読み始めは「ねーよwwwww」って感じだったんですが読み終わったらこれはこれで
小説として十分アリなんじゃ…?って思いましたアリアリ詐欺!アリアリ詐欺だ!
大胆すぎる想像というか仮説というか、うん私は結構好きですこの話。
ただそれを後々の複線にまでしちゃうのはやりすぎかなぁ…いや、小説だからいいんだけど。
新しい写楽説(勿論フィクションですが)を知りたい方は是非本編をご一読あれ。
・幕末維新
この小説は基本的な流れとしては徳川⇔豊臣に置き換えただけなので歴史の流れはそのままです。
なのでやはりペリーはやってくるし豊臣幕府にも終わりのときは近づいてきます。
展開的にも(やや突然ですが)熱い時代なのですが…うう、やっぱりもっと勉強しておけば
よかった…分からん(え)けどまあ私のような幕末ど素人でも何となく分かるような
初心者向けの人物多めに出ているので玄人向けのハードな幕末ものを期待している方は…
そんなハードな歴史ものを期待して読む小説ではありませんでしたスイマセン。
ここに来て名前が正史と微妙に違う人物がぽつぽつ出てきて、私にはその違いが分からなかった
のですが、友人様の助言により全て謎が解けました!江戸出身の人物は恐らく名古屋出身に
置き換えられるためか、名前は微妙に変えているって訳ですね。有難う!!
けど菅沼歳三はな……(いや寧ろこれはこれで)
・小説界震撼!マルチエンディングを採用!!
っても2パターンですが。一般人用と愛知県人用二段構えです。
あーもうこれは感想云々より読んで欲しいんですけど(感想になってねぇぞ)
よくぞやってくれましたって感じです。私は残念ながら名古屋人ではないので(近場ですが)
一般人用エンディングのほうが好みなんですが是非名古屋出身者にこの小説の感想を聞きたい!
いいのかこれ!ちょっとネタバレしちゃうけど千代田県神田市ってどうなのそれ!!
けど愛知県人用エンディングも十分面白かったです。あーうん、好き。こういうノリ大好き。
最後までバカ小説(繰り返し言いますが褒め言葉です)としても勢いを貫いてくれていて
よかった。どうでもいいけど榎本→楠本の変換はやっぱり楠木正成を意識してるんだろうか。
もしそうだとしたら榎本に敢えて楠木を意識させるってのが面白いなと思いました。
作者の榎本観が伺える気がする、邪推かもしれないけれど。


総括
いや、面白かったです。もっと江戸文化に詳しくて、かつ名古屋出身だったら更に楽しめる
ことでしょう…いや逆に怒るかコレ…?時代パロディならではのぶっ飛んだ設定とそれに対する
突っ込みを一切受け付けないような勢いが寧ろ素晴らしい。設定的には深く突っ込めば
シリアスに面白くなりそうなものがいろいろとあっても「そういう話じゃないんで」みたいな
ノリでさらっと流すのが好きだ。確かにこの小説の役目じゃないけどでも見たかったなー…
残念なところを敢えていうなら、まあ仕方が無いって言うか意図的なのかもしれませんが
名古屋幕府の歴史が大体江戸幕府のそれをなぞったままになってしまっているところかな…
あるっちゃあるけどもっと”名古屋”独特の歴史みたいなのが見たかったかも。
まあそれだと分かりにくくなるし、「そういう話じゃないんで」で済むことなんですが(笑)
なんか感想になってるようで感想になってませんが結構お勧めだったりします。
読んで大いに笑ってくださいな。それはねーよwwwww

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